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高森明勅
2018.1.28 09:00

日本教師塾

1月27日、日本教師塾。

若手の先生方を中心とした自主的な研修会。

教師以外も参加できる。

第4期の4回目。

これで今期は終了。

これまで「日本の魅力」「偉人」「日本神話」
というテーマでやって来た。
今回のテーマは「御製(ぎょせい)」

随分難しいテーマを選んだものだ。
子供達を相手に授業が成り立つのか。
やや不安になる。

まずは東京都のY先生の発表。
実際に小学5年生に授業を行ったところ、
子供達にとって天皇が遠い存在でなくなった」と。
彼は、
児童に身近な「祝日」に「御製」を組み合わせて
教えているとか。

例えば、昨年の11月23日「勤労感謝の日」の前に、
新嘗祭について説明し、併せて今上陛下の新嘗祭にちなむ
御製を教えた。

そのクラスでは、教室の片隅にテディベアのぬいぐるみが
「プニプニのみこと」
と名付けられて、手作りの鳥居の奥に
飾られている。

クラスの「神社」的存在か。

そのプニプニのみことに、子供達が新嘗祭の話を聞いて、
食べ物のオモチャをお供えした。

また、ポッキーチョコレート型のオモチャを作り、
先生にプレゼントして「食べる」真似をさせたという。
驚いた。
新嘗祭の主眼が、天皇ご自身が新穀を召し上がる点にあることも、
ちゃんと理解できているようだ。
教室の様子を映像で観る。
子供達は皆、楽しそうだ。
御製で授業を見事に成り立たせている。
感心した。

次に千葉県のK先生。
昭和の歴史を8つのエピソードで整理。
その上で、昭和天皇の御製
(正確には、
そのうちの1首は明治天皇の御製)が
1首ずつ印刷された、
短冊形のラミネート加工したカードを8枚、
配る。

子供達がグループを作って、
エピソードごとにどの御製と対応するかを当てさせ、
グループ対抗戦をやる、という趣向。

これは、子供達に昭和の歴史と昭和天皇の御製を一挙に、
しかも印象深くゲーム感覚で学ばせる、恐ろしく完成度の高い授業だ。

しかし、準備には相当、手間暇をかけたはず。

子供達の正答率は約8割だったとか。
かなり高い。
教師の力量を窺わせる結果だ。
カードは全て子供達にプレゼントしたそうだ。

2人とも素晴らしい授業作り。

その後、私が1時間2コマの講義。
例によって準備した何分の1も話せなかった。
参加者の感想の一部を改めて紹介しよう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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